田野畑村のおいしい!を育む「うみのひと。」 vol.10〜 漁師・平坂隆幸さん

仲間の漁師と共にサケの定置網漁船に乗る平坂隆幸さん。定置網漁とは、海中に張った網に入り込んだ魚を2隻の船で追い込んで漁獲する方法で、平坂さんは艫(とも)船頭としての役割を担っています。「サケを獲るより、酒を飲むのが仕事だよ」なんて、冗談がポンポン飛び出す平坂さんですが、船の上ではキリッと海の男に!

サケは、アワビやワカメと並んで田野畑村の漁業を担う海産物。昔から、住民の生活を支える重要な収入源であり、冬場の食材として大切にされてきました。田野畑漁協では11月になると「サケの神様」にお神酒をあげて大漁を願い、その恵みに感謝します。

11月上旬、波の穏やかな早朝4時。まだ夜の気配を残す島越漁港に、一人またひとりと漁師たちが集まってきました。9月からはじまったサケの定置網漁船に乗る漁師たちです。その14人の中に、平坂さんの姿もありました。皆てきぱきと準備を整えて、2隻の船が出航。しぶきをあげて進む甲板にエンジン音が響く中、漁師たちは黙々と水揚げの準備を進めています。

20分ほどで定置網を設置する漁場に到着。すると、穏やかな船上の空気は一気に緊張感にあふれ、仲間と談笑していた平坂さんの表情もぐっと引き締まりました。潮の加減を見ながら網を徐々に引き上げていくと、バシャバシャと勢いよく跳ねるサケの姿が見えてきました。気がつけば、先ほどまで船尾にスタンバイしていた平坂さんは、既に船の中央に移動し、網にかかったサケを素早く水槽へ。スピーディに進む漁師の仕事は、淡々としていながら迫力満点です。


大きく育って脂が乗った秋サケは、三陸自慢のおいしさ。新巻鮭やチャンチャン焼きなど、地元ならではの食べ方もいろいろです。村内にあったサケのふ化場は東日本大震災で被災しましたが、新たな施設で平成26年度に再開。まだ水揚げ量は少ないものの、来年は放流したサケ達も戻ってくる予定です。

震災で失くした仲間の分も本気でがんばらなきゃと話す一方で、平坂さんは「真面目な話は、背広を着ないとできないよ」と得意の冗談を言って、その日の漁を終えました。

サケ漁はまだまだ続きます。明日も、あさっても――。

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