田野畑村のおいしい!を育む「うみのひと。」 vol.8〜 漁師・中村琢雄さん

毎年5月から12月まではイカ漁、冬場は毛ガニの刺し網漁を営む中村琢雄さん。たった一人でイカ釣り船を操って三陸沖へ、時には津軽海峡を越えて日本海沖まで船を出すことも。北の海を知り尽くす、この道20年のベテラン漁師です。

イカは、古くから田野畑村の人々にとってなじみ深い食材。秋口になるとサケやブリなどの定置網に入ったり、岸に近いところでもよく獲れたものです。中村さんが子どもの頃、イカ漁は夜間が中心でしたが、現在は昼漁が主流。早朝から沖へと船を出して釣り上げたイカは、素早く船上で氷詰めから箱詰め作業を済ませ、すぐに市場へと届けます。

umi10_1海の上ではただ1人。でも、岸に戻ればそこには奥さんが待っていてくれます。
連携プレーで荷を下ろし、新鮮そのもののイカを市場に届けるのです。

釣り場は広範囲に渡り、魚群探知機を使って八戸沖から釜石・大船渡あたりを行き来しています。時期によっては日本海側へ出向くこともあり、中村さんの船には青森、秋田、山形、新潟のイカ漁許可証がずらりと並んでいました。

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「この辺で獲れるのは真イカ(スルメイカ)です。イカは1年魚だから、日本海から津軽海峡を渡って回遊し、いったん北海道にのぼって太平洋を南下してくる。その間に大きく育つんですよ」と中村さん。

田野畑村における年間の水揚げ量はそれほど多いものではありません。しかし、三陸沖で秋口以降に獲れる真イカは身が厚くて大きく、市場でも高い値がつきます。鮮度のよい真イカは艶やかで肉厚、コリコリとした食感が格別です。刺身はもちろん、大きく育った真イカには腑ワタもたっぷり入っており、塩辛や腑ワタ煮がおいしくできます。こうした食べ方も三陸ならではといえます。

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「12月後半あたりになるとイカが岸までやってくるから、小さな舟でも獲れやすかったんです。昔からイカ料理はいろいろ食べていました。各家々で塩辛や一夜干しなんかにして食べました。一夜干しは酒のつまみに最高ですよ!」

つまみの話になると、にこやかな中村さんの顔が一層ほころびます。田野畑村に受け継がれる「イカの酢漬け」は、年越しや正月料理に味わうハレ料理。これも冬場の貴重な保存食として生まれた味の一つです。中村さんたち漁師は、そんな郷土の食文化を支える一人なのです。

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