昨秋の「産業まつり 料理コンテスト」で「いものこ兄弟 すまし汁」をつくり、審査委員長の伊藤シェフをして「驚きのレベル」と言わしめた田野畑村漁協 浜岩泉浦女性部。今回も優勝候補に挙げられていたチームです。
代表の工藤房子さんは、「どうしたら食事を共にする相手が喜んでくれるか、一緒にホッとする時間を過ごしたい… そんな思いで作った料理です」と説明してくれました。
出された料理を見て納得。「さすが、浜岩泉浦女性部」と思わざるを得ません。目移りするほどのボリュームと華やかさ。前菜(?)に当たると思われる一品もまるで扇を開いたかのように皿上で開く「そうめんかき揚げ」
味覚の王者・松茸を脇役に追いやっています。
異質を放つのが、こちらの「ころころコロッケ」。一見、郷土料理らしからぬ1品ですが、島越を地元とする浜岩泉浦女性部にとってはとても重要な料理なのです。震災前、三鉄・島越駅前にあった工場でつくる『鮭の中骨入り缶詰』は、長きにわたり人気の1品でした。震災で工場が流され、昨年秋、ようやく念願の加工場が完成したばかり。
そのためこの『おもてなし御膳』に鮭の中骨入り缶詰を使用した料理が入ることは、とても重要なことだったのです。
『ころころコロッケ』には、田野畑産 鮭の中骨入り缶詰の他、カボチャ、しいたけ、アイガモ、田野畑牛乳、チーズなど沢山の原料が混ぜられており、添えられた淡緑色のホウレン草のグリーンソースと絶妙なマッチングです。
しめて30品目以上使っているという料理は、どこまでも手抜きされることがなく、「去年は単品を出して、御膳をつくったチームより不利だったと思うので、今回は存分に腕をふるいました」と、リベンジを狙ったことを明かしてくれました。
それだけにご飯1つをとっても、エース級素材である「アワビ」を惜しげもなく使い、食べる人を“もてなし”、満足させてくれます。アワビご飯は、「せっかくのアワビが堅くならないように、沸騰したお湯にさっと入れて柔らかさを出すのがポイント」だそうです。
さらにはナメタの煮付け、ホヤのお吸い、まりこの茶わん蒸し、タコの黄身酢あえ、等々… なんでも出来ちゃう人たちだから、なんでもやってしまった…! そんな印象すら受けました。
結果、今回は「鯛寿司賞」を獲得。前回より上のグランプリを狙っていただけに、本人たちは残念そうではありましたが、「さすが、浜岩泉浦女性部」をあらためて印象づけた1日となりました。
島越駅前 新加工場の落成「おひろめ会」を開催しました ↓